想い出のBallarat

冬休みが終わり,昨日月曜から子供たちの3学期が始まった。

親がいろいろ四苦八苦しているせいで子供たちにとってはあまり刺激のない冬休みを過ごさせてしまった↓ のだが,

snemtea.hatenablog.com

 

冬休み最後の土曜日,ずーーっと行きたかったバララットへ出かけてきた。

バララットはメルボルンの北西,車で1時間半ほどの場所にある。その昔,ゴールドラッシュで沸き立った町で,ソヴリン・ヒルという日光江戸村的なテーマパーク(?というほどの規模のものでもないのだが・・・)が有名。そしてこのソヴリン・ヒルは,私の想い出の場所のひとつ。

www.sovereignhill.com.au

 

日本でもオーストラリアでも,これまで何度も「どうしてメルボルンに??」と聞かれてきた。理由はいろいろあるのだが,一言で言うと「心地よくて好きな場所だから」。その原点は,13歳の頃に遡る。

私の両親は,縁あってオーストラリア,特にメルボルンに友人が多い。私は,中1の夏休み(と前後の授業をかなり大胆にサボって)3か月ほど,その友人のうちの1人の家に単身送り込まれ,ホームステイしながら現地校に通わせてもらった。初めて家族と離れ,独り右も左も,言葉すらもわからない異国に滞在した貴重な経験は,たくさんのカルチャーショックと,苦しみながらも楽しさに満ちた甘酸っぱい思い出であふれている。

ホストファミリーはジョンとシェリーという夫婦。穏やかで,誠実さと優しさが具現化?したような本当に素敵なカップルで,週末になると色々な所に連れて行ってくれた。その中でも思い出深いのが,このソヴリン・ヒルだ。

 

上述のとおり日光江戸村様なので,とりわけ面白いイベントや刺激的な乗り物などがあるわけではない。しかし素朴でノスタルジックな町並みに何故か心惹かれた上,シェリーが買ってくれたキャラメルを口にした時に受けた衝撃が,未だに忘れられない。外側はカリッとしているが中味がとろりとしていて,陳腐だがとにかくおいしかった。今でこそ日本にも似たようなキャラメルが販売されていると思うのだが,当時はグリコの固いアレ=キャラメル,だったので,13歳のピュアな私は「世界にはこんなにおいしいものがあるんだ!」「キャラメルひとつとっても,世界と日本での概念は違うんだ!」(←大袈裟)と,ただひたすら驚いた。

 

大人になってメルボルンを訪れる度,ソヴリン・ヒルに行きたいな~と思っていたのだが,微妙に遠くて,観光旅行の限られた日数を削ってまで足を延ばす気になれずにいた。そして,ようやくの再訪!子供たちには上記の私の昔話を聞かせていたので,いざ行かんバララット!と告げるととても喜んでくれた。

とりわけ,鉱物好きの二男と,粘り強さが自慢?のパートナーは,金の採掘(というか砂金採取)に並々ならぬ闘志を燃やし,ほーんの少し金ゲット↓

寒空の下,手がキンキンに凍えながらも欲に駆られる男子たち

www.sovereignhill.com.au

 

見たい展覧会のオープニングパーティがあったため美術館に行くべく,一旦ソヴリン・ヒルを後にしたが,夜に冬の特別イベントがあるということで,再度バララットへ戻った。

www.sovereignhill.com.au

南半球のオーストラリア,当然クリスマスシーズンは夏真っ盛り。しかし冬のクリスマス気分を少しは味わいたいという要望があるようで,寒い7月に疑似クリスマスを楽しむ習慣があるらしい。ソヴリン・ヒルに戻ると,夜オンリーの入場者の大行列ができていてびっくり。駐車場も車でごった返していて,車を停めるのに一苦労だった。

 

もっとも,昼間とは趣の異なる日光江戸村もまた良し。プロジェクションマッピングと雪を模した泡散布で,幻想的な空間を楽しめた。

それにしても人が多すぎ

それから,キャラメルをゲット!

まだ食べていない。きっとあの感動は味わえないのだろうな・・・

覚えている限りでは素朴なキャラメル専門店があって,そこで買ってもらったという記憶なのだが,残念ながら現在,キャラメル専門店は存在せず。雑貨屋でキャラメルを売っていたので,レジのお姉さんに「30年以上前にソヴリン・ヒルでめちゃおいしいキャラメルを買ったの。その体験をもう一度したくて探してるんだけど,他にキャラメル売ってる店はある?」と聞いてみた。お姉さん曰く「キャラメルはこの店でしか売ってないの。隣のキャンディ屋さんには固いキャラメル味の飴があるけど,固いしキャラメルではないわ。残念ながら当時とは違うものだとは思うけど,これおいしいわよ!」とのことだった。

食べてみての感想は,また後日。

 

今回のバララット訪問はソヴリン・ヒルに始まりソヴリン・ヒルで終わったが,車で走ったバララットの街並みが予想以上に素敵だったので,こちらにいる間にあらためて街探訪をしてみたいと思った。