年末

今日は12月29日。

この日は例年,年末年始を過ごすため,雪に埋もれた山小屋へ出発する日だった。

テレビもない小さな山小屋,ふかふかのパウダースノーにまみれて遊んだ

二男がまだよちよち歩きの頃から10年以上,年越しといえば雪遊び。数時間ドライブして夜中に現地着,もちろん積雪で小屋まで車では入っていけないから,大量の荷物と,子供たちが小さかった頃は寝ぼけまなこの子供2人も毛布でくるんで2つの大型のソリに乗せて,パートナーと2人,重いソリをひいて30分以上かけて小屋まで運んだ。子供たちが大きくなると,家族ぐるみで仲良しの友人家族も遠路はるばる泊まりに来てくれるようになって,これまた楽しい思い出がたくさんできた。

 

そして何より,私とパートナーにとっては,この年末年始の過ごし方が,仕事に家事にと忙殺される日常から,携帯の電波も入らず,あるのは一面の雪と驚くほどの静寂という非日常へ逃避することによって,1年を振り返ったり気持ちをリセットさせたり,夢を語り合ったりする契機として機能していたのだと思う。

 

オーストラリアへの留学計画を本格的に始動させたのは2021年4月。同年6月にはそれぞれ大学院からのコンディショナルオファーを得て,英語の勉強に本腰を入れ始めた。渡豪のための準備の中で,子供たちに国境を越えて引っ越す予定だといつ伝えるかは優先順位の最上位として意識し常に悩んでいたが、結局、1年前のこの山小屋で話をした。

あれからもう1年。様々なことを力ずくでねじ曲げるようにして日本での生活をたたみ、今ここにいる。いつもの雪景色はないが、ある意味究極の非日常。今のところ年末という雰囲気はゼロで気づかないうちにうっかり年を越してしまいそうだが、あらためてしっかり自分を振り返る時間を持ちたい。

 

話は変わるが、何人かの知人に、メルボルンの人々はどこでスキーするの?と聞いたところ、近郊にスキー場はあるが勧めない、やるならニュージーランドに飛ぶべきだと力説された。雪質が悪い上に値段がべらぼうに高いそうだ。