アパートのボヤで避難

昨日は金曜日。二男の小学校が「Curriculum Day」でお休みだったので,日中,二男と2人で自宅で過ごしていた。

 

子供たちの学校は,あと2週間で2学期が終わる。学期終わりが近づいてくると,何やらよくわからないのだが「先生たちが成績をつけるため」とか「先生たちのスキルアップのため」とかの理由で,ちょくちょく学校が休みになったりしがちになる。昨日の二男のお休みも多分この系統。

次の月曜は王様のお誕生日なので(←この文章,童話みたい!)オーストラリアは今週末,Long weekendである(=三連休)。したがって二男は4連休!Extra long weekend。ゲーマー君は「ゲームができる!」と、朝からウキウキのご様子(我が家は週末のみ,最長2時間だけゲームができるという約束),昨日も1日中パジャマ姿でのんびりと休みを満喫していた。

 

ここ最近もいろいろあって,特に子供たちの学校の授業料の関係でまたもやゴタゴタが発生したことや,スキー合宿に行くことになったこと、新たな習い事を始めることなどなど,ブログに書きとめておきたいなと思っていた。が,昨日は、そんな全ての予定が吹き飛ぶ大事件発生。

 

午後4時半ころのこと。部屋の天井のスピーカーからけたたましいサイレンが鳴り始めた。

実はこのサイレン,月に1度くらいの頻度で「テストです」って鳴っているので(初めての時は,部屋に一人きりの時で驚いて文字通り飛び上がった),私は慣れたものだったのだけれど,初めて聞いた二男はすぐさま自室から飛び出してきた。

「ママ,これ何??」「これはね,避難指示のサイレンなんだけど,ちゃんと鳴るかどうかテストしますってたまに鳴るのよ」と説明していたところ,サイレンの合間に,普段は流れてこない,大男の(←これは想像)野太い断定的な指示口調の録音音声で

「Evacuate Now!」

やだ怖い!これ,本番のやつ!

 

二男にはすぐにパジャマから着替えるよう指示し,私は大事なものを大急ぎでリュックに詰める。家族全員分のパスポート,お金,ビザや各種証明書,充電器,日本用コンセントの変換プラグ,携帯にメガネに・・・「ママ怖いよ,早くしないと!」えーと,パソコンは無理か,もう出ないと。

部屋を出ると斜向かいの部屋の玄関ドアが開いていて,1,2度すれ違って挨拶したことのあるアジア系の女性が他の家族が出てくるのを待っているところだった。軽く会釈して廊下を進むと,二男が「エレベーター使わない方がいいよね,階段で下りよう」。うん,確かに。

エレベーター横にある非常階段の重いドアを開けると,焦げ臭いにおいが充満していて,火事なのだと確信した。幸い煙はない。我が家は2階,急いで1階へ下りてドアを開けるとそこには大きな消防士たちが3人、どうやら火元は1階の部屋のようだ。早く外へ,と促されてアパートメントの建物の外に出た。

外には消防車が2台停まっていて、着のみ着のままの住民たちがざっと20人くらいだろうか、車道を挟んで向こう側の歩道から不安そうにアパートメントを見ている(私たちは最後から2番目の避難者だった。もっと急がないとと反省)。

見ると、道路沿いの3号室の掃き出し窓から白い煙が上がっていた。この部屋は確かごく最近、新しい住人が引っ越してきたばかり。特に消防車で派手?に消火活動などはしていないが、消防士が頻繁に出入りしている様子が見てとれる。

20分ほどしたところで消防士が近づいてきて、「もう大丈夫、部屋に戻っていいよ」。良かった、どうやらボヤで済んだらしい。1階のエントランス共用部分と非常階段は変わらず鼻をつく焦げ臭いにおいで満ちていたが、家に無事戻ってほっとすると同時にどっと疲れが来た。

今回は何事もなくて本当に良かった。ただ、ここは異国。物理的にも精神的にも、もっと身を守る準備をしておかないといけない。